みなさんは普段メモを取ったりしますか?どんなメモ媒体を使っていますか?
私は手書きメモ大好きな人間なのですが、常に紙とペンを携帯しているという訳でもありません。でもiPhoneなら持っている。そんなときには、やっぱりスマホのメモアプリを活用しない手はありません。そして私はいろんなアプリを使ってきました。ときにはそのアプリ専用のショートカットを組んだりして、試行錯誤してきました。今回は “回り回って辿り着いた” おすすめメモ術の提案になります。
私はNotionやCraftも愛用しています。Notionはデータベースを活かした情報管理に強いですが、iPhoneで使うには不便です。CraftはiPhoneやiPadで使うのにも扱いやすい美しいUIで、「書くこと自体が楽しくなる」魅力があります。
その一方で見落としがちなのが、Apple純正のメモアプリです。シンプルすぎて物足りないと思われがちですが、実はあるツールと組み合わせると便利なメモツールに化けます。
また、iOS 26 からはMarkdown形式でのインポート/エクスポートにも対応するよう(β版提供中)で、ブログ執筆メモなど、活用の幅がさらに広がりそうです。さらに WatchOS 26 からは、Apple Watch でメモアプリが使用できるようになるそうです。
今回は、この純正メモアプリを 「フォルダを作らず、クイックノートとタグ、そしてSpotlight検索でシンプルに活用する方法」 に絞って紹介します。もし「メモがなかなか続かない」と悩んでいる方の参考になれば幸いです。
Apple純正メモアプリでできること
一見シンプルなアプリですが、進化を重ねてきた現在では多機能な『ノートアプリ』です。
リッチな入力機能
- 箇条書き、チェックリスト、見出し、テーブル挿入
- Apple Pencilや指での手書き入力
メディア・ドキュメント管理
- 写真や動画、Voiceメモの添付
- スキャン機能:紙の書類を撮影してPDF化
- OCR(文字認識):スキャンした画像からテキストを抽出し、メモに貼り付け可能
情報の整理
- フォルダーによる階層管理
- タグによる柔軟な分類
- ピン留めで重要なメモを上部に固定
連携と共有
- 他のユーザーとの共同編集(リアルタイムで変更が反映)
- Safariなどから直接メモに追加
- リマインダーやカレンダーと連動するリンク保存
セキュリティと検索
- Face ID / Touch ID / パスコードで個別ロック
- Spotlightによる全文検索:タイトルやタグだけでなくメモ本文まで検索対象になる
新機能(iOS 26以降)
- Markdown形式でのインポート/エクスポート
.mdファイルを取り込むとリッチテキストに変換- 既存のメモをMarkdownファイルとしてエクスポート可能
でも多機能に頼りすぎると続かない
Apple純正のこのアプリの日本語名は『メモ』となっていますが、実体は『ノート』アプリです。ノートを取る際には便利に修飾などができます。しかし、メモを取るには多機能すぎます。機能全部を「使いこなさなきゃ」と思いがちですが、メモを取るにはそれが落とし穴となります。
- フォルダの階層が深すぎて「どこに分類しようか」迷う
- 書式などにこだわりすぎて入力スピードが落ちる
- そうこうしているうちに面倒臭くなって結局メモを取らない
結果、「思いついたら即メモ」というシンプルなメモ習慣は崩れてしまいます。
あえて“シンプルにメモだけ”にフォーカスする
そこで提案したいのは、「メモを取ること」だけに徹する使い方です。
- クイックノートで書く
- フォルダは作らずタグで管理
- 探すときはSpotlightに一任
このルールを守るだけで、純正メモアプリが “第二の脳” として機能し始めます。
なぜ純正メモアプリなのか?
メモを取る際に大切なポイントが2つあります。それは
- メモを取るための障壁をできるかぎり取り除くこと
- メモを取ったあと、すぐにそのメモを取り出せること
です。
Apple純正メモアプリを使えば、このポイントを次のように克服できます。
- クイックメモならiPhone、Macなどすべての端末で即座に起動させることができる
- Spotlight検索の本文にまで届くスコープによって、必要なメモを瞬時に取り出すことができる
そうです。なぜ純正メモアプリなのか?という問いの本質は『Spotlight検索』の存在なしには語れないのです。
即入力のための設定
Mac編:クイックノートをショートカットキーで呼び出す
デフォルトの呼び出し方
Fn(地球儀キー) + Q または ⌘ + Ctrl + N
設定の確認・変更


どんな作業をしててもショートカット一発で小窓が立ち上がり、そのまま保存されるので、思考を中断せずに済みます。
iPhone編:背面タップでクイックノートを開く
設定手順
- 「ショートカット」アプリを開き、右上の「+」ボタンを押す
- 検索バーに「クイックメモを表示」と入力し、これをタップしてショートカットを作成


- 「設定」アプリから「アクセシビリティ」>「タッチ」>「背面タップ」
- 「ダブルタップ」または「トリプルタップ」を選択(お好みで)
- 最下部“ショートカット”項目の 「クイックメモを表示」 を割り当てる



ポケットから取り出して背面をトントンと叩くだけで即メモ開始。Siriを呼ぶより静かでスマートに書き出せます。
Spotlight検索の強み:本文までスコープが届く
Apple純正メモの真骨頂は、Spotlight検索が本文までカバーしている点です。
- タイトルやタグだけでなく、本文中のキーワードまで検索対象
- 手書き文字やスキャンした書類から抽出されたOCR文字もヒット
- PCなら「⌘ + スペース」からアプリを開かずに呼び出せる
他の多機能アプリに比べて、OSに深く統合されているからこそ、検索のスピードと網羅性で頭ひとつ抜けています。
Spotlight検索についてはこちらの記事でも触れていますので、ぜひご覧になってください。

他のノートアプリと比べて純正メモが強い理由
- Notion:情報を体系的に管理できるが、即メモにはワンクッション必要。
- Craft:美しいUIと直感的な編集が魅力だが、整えること自体に時間を使ってしまうことも。
- Apple純正メモ:シンプル・高速・OS統合。Spotlight全文検索による利便性も抜群。
比較表
| 向いている人 | Apple純正メモ | Notion | Craft |
|---|---|---|---|
| 特徴 | シンプル・即時性・軽快 Spotlightで本文検索可能 | 構造化・共有・データベース管理 | 美しいUI・直感的な編集・整理 |
| こんな人に最適 | ・思いつきを即メモ ・ツールに迷いたくない ・iPhone/Mac常用者 | ・複数人での共同作業 ・プロジェクト管理も兼用したい人 | ・見やすく整ったノートを作りたい人 ・デザイン性も大事にしたい人 |
| 弱点 | 高度な管理・分析には不向き | 起動に一手間 オフライン弱め | 即メモより整える用途向き |
まとめ:シンプルだからこそ続く
検索ツールのSpotlightを最も有効に活用できるアプリが純正のメモアプリだ、ということです。
また、Apple純正のメモアプリはOCRや共同編集など多機能ですが、あえて「書く・タグで分類・Spotlightで探す」に絞ることで、
- 書きたいときにすぐ書ける
- 必要なときにすぐ呼び出せる
── そんな理想のメモ環境が完成します。
NotionやCraftも素晴らしいアプリですが、こと「日常の即メモ」に関しては『純正メモアプリ + Spotlight』こそ最強の選択肢です。
おまけコラム:わたしなりのメモのコツ
わたし個人への戒めも込めて、メモのコツについて書いてみたいと思います。
大前提として「メモは所詮メモだと割り切ること」ということです。
以下は結局これに尽きます。
- きれいに書こう、きれいにまとめよう、きれいに整理しようとこだわらない
- 声が出せる場面では音声入力で素早くメモをとる(速い)
- タグは本文の最後にとりあえず書いておく程度でよい
- 付けなくてもいい
- 付けるなら自分があとで検索するであろう単語にする
〜メモをどうしても整理したい人のために〜
- 残したいメモだけクイックノートからiCloudメモフォルダへ移動
- よく見返すメモだけPin留め
- タグで自動フォルダ別けしてくれるスマートフォルダ機能を使う
元も子もないメモへの考え方 〜いちばんのメモ媒体はあなたの脳そのもの〜
- 何もしなくても脳が勝手に覚えている情報にこそ価値がある
- そもそも忘れてしまう情報には価値がないと割り切る
